Author:mukkumamu
ナチュラルライフのご提案
クオリティーオブライフを考察してみる④
柔道整復師 谷 弘誠
香川県高松市で三条健康堂という施術院を開院していらっしゃる柔道整復師、谷 弘誠さん。
前回の3回連載では、なぜクオリティーオブライフ(=QOL)を実践しようと思われたのか、またどんな風に実践しておられるのかについて執筆していただきました。さて、今回の連載では…。
お久しぶりです。三条健康堂の谷です。本日も生活実践の続きをお話ししたいと思います。最後までお付き合いください。よろしくお願いします。
今回は身体の歪みについてお話しします。これは私の本業でもあります。つい先日、同業者からこんな質問をされました。「足の歪みを治すと背骨もまっすぐなりますよね」という質問です。私はその言葉に違和感があります。何か身体が止まっているような気持ちになるのです。身体はそこに居つかずに、動き続けようとします。
そこに居ついて執着し続けた身体部位は自然の摂理から逸脱しています。施術家はそれを感じとって調整していくわけです。
調整するとまっすぐになるのか?と問われるとそうでもなく、子どもが運動場に到着した瞬間のように、犬がドックラン施設に到着した瞬間のように、動きたいように動き回るのです。ですから、なるようになるとしかいいようがありません。動き回っても、美しい状態に収まるように動くので、それをまっすぐと表現してしまうようです。
施術後の質感の変化は見逃してはいけません。
私は「さわやかに」「すっきり」したようになると感じています。
身体を施術しても、すぐに元にもどります。禅で数を数えて煩悩から離れるのと同じで、瞬間は煩悩から離れても、また煩悩に覆われてしまい、またそれに気づき煩悩から離れる。ただそれの繰り返し。施術もそれに似ています。
しかし、「しないよりはした方がいい」と言えます。風邪や痛みや痺れ、ストレス、身体的疲弊、精神的疲弊などに効果的です。そしてそれを習慣にしていると、意識的な成長が起きます。
意識の成長は緊張からは生まれずに、リラックスから生まれるようです。
術者にリラックスさせてもらうことは、クライアント様にとって非常に有効なようです。
これは人生のカギになるポイントです。LSD実験で有名なグロフ博士は、その実験のなかで人知をはるかに超えた体験を目の当たりにします。そしてホロトロピックという造語を作りそれらを形容しました。「全体性に向かう」という意味です。実は日本でもホロトロピック「クライアント様の意識の成長を陰からサポートする」という医療思想に賛同し実践しているクリニックが増えています。そこには「こうなれば幸せだ」というような器質的で、ねじを締めればいいんだという思想ではなく、居つかずに、執着せずに、動き続けることこそ、QOLの向上につながるのではないか?ということのようです。
そのような思想を持った医療者と提携し、統合医療の一端をになえる時代にあることに、整体をしていてよかったなぁ。と思うようになりました。
次号へ続く