Profile

mukkumamu

Author:mukkumamu
ナチュラルライフのご提案


最新記事


最新コメント


最新トラックバック


月別アーカイブ


カテゴリ


メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:


検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QR code

QR

父の認知症 後編

 父が認知症を発症し、通院をするようになってから2年ほど経つと、一人で自転車で外出する時間がどんどん短くなってきた。おそらく、遠くまで行くと不安なんだろう。どこに自分がいるかわからないから。車にぶつからないか心配だが、家に閉じ込めるわけにもいかない。ここで、苦労して短時間の運動中心の通所施設に通わすようになるのだが、ここからがまた大変。行きたくないとダダをこねるから、母が一苦労。施設に着けば、一通りメニューをこなし、大変良かったと感想を言うらしい。しかし帰宅後は、施設では何もしないし、もう行かないと毎回言うという。

 病院受診も最初は一人で行けたが、ここ半年くらいは、母が同行するようになった。先日私が歯医者に同行した。近いので歩いて行けるずっと通っていた歯医者なのに、道はもちろんわからない。家を出て30メートルほど歩くと、「ここはどこだ?」と聞く。最近は家から出るとしょっちゅうこうやって場所を聞く。どこにいるか不安で場所を確認するのだと思う。
 何度も何度もここはどこだと聞くうちに歯医者に着く。なるべく、手助けしないようにと思うが、診察券を出す行為もできない。診察が終わって会計する段になっても、言われたお金を財布から出すことができない。もちろん、次の予約も。認知症が随分進行したなあと思い、玄関に向かうが、今度は自分の靴がわからない。想像はしていたけれど、ここまで進んでいるとはとかなりショックだった。

 こんなこともあった。実家で父に「カッターを貸して」と頼んだ。父は「カッターって何だった?どんな物だ?」と言ったのだ。口で説明するが、なかなか分かってもらえず、私がありそうな場所を探すことになった。先日は「イチゴ」が何かわからなくなっていたし、父の場合、物の名前がどんどんわからなくなるようだ。よく、時々まともなことを言うという人の話を聞くが父の場合はほとんどそんなことはなく、少しずつ少しずつ悪化してきている。

 私は認知症の勉強をした。本もたくさん読んだ。対応法もわかっている。でも、実際には本のようにはできない。自分の父だから。わかっていても、どうせすぐに忘れてしまうのに、判断力なんてなくなっているのに、話すとつい頭にきて怒ってしまう。脳の活性化を図るということはいろいろ試した。根気よく根気よくやってくれるように頑張ったつもりだったが、こっちも疲れてしまって、やらなくなってしまった。

 ところが、最近知った「ユマニチュード」という方法で接してみると、案外すんなりと言うことを聞いてくれることが分かった。
 ポイントは、笑顔で話しかけること。身体に触れること。でも、今まで手を握ったり、背中や腕を触ることなどする習慣がないから、大変。母にも勧めるが、母こそそんなことはできないようで、体に触れて誘導するということはかなり困難なようだ。

 こうやってどんどん父が壊れていく。認知症は悲しい病気だと思う。私の名前も言えなくなってしまったし、どうやら自分に子どもが何人いたか覚えていないようだ。ほんの1分前のことも覚えていないから、何度も同じことを質問し、周りの人間にストレスを与えている。そのうち私の顔も見ても「どなた様ですか?」と言われる日が来るのだろうかと不安になる。それだけは、避けたいと思う。
 父の好きなこと、楽しいことをしてやりたいのに、何を聞いても何もしたくないと言う。昔持っていて、手放した土地を見に行きたいというが、住所もわからないので、行きようがない。

 今思うのは、何とか両親が二人での在宅生活を一日でも長く続けて行けるようにサポートすること。そして、自分が認知症にならないこと。自分がこんな風になるのは耐えられない(まあ、自分はその時はわかっていないんだけれど)。両親が元気でいてくれることが最大の幸せだと今つくづく思うから、自分の子ども達の幸せのために自分たちは元気でいたい。

 どうか、母の笑顔が消えませんように、ごくたまにしか見なくなった父の笑顔が消えませんように。自分も父に会うときはいつも笑顔でと肝に銘じる今日この頃です。

        アルツハイマー型認知症の実父を持つ、ムックマムスタッフ S子
        義父母と夫と息子と暮らす52歳。


スポンサーサイト

コメント

頭では分かっていても出来ない、家族ならではの辛さを実感しました。ここまで書いてくださって有難うございます。
ユマニチュードとは本当に効果あるのですね!私も調べてみたいと思いました。
2016-08-23 11:21 | もなか #- | URL [ 編集 ]

う~ん、泣けますね。うちも両親が高齢になってきて、体の健康、頭の健康をひそかに見守っていますが、ドキッとすることが多々あり、人ごととは思えません。

親が健康で元気に、できれば楽しく、暮らしていることが子どもにとっての幸せというのは、よーーくわかります。私もかくありたいと思い、40代から気をつけるようになりました。

超高齢化社会。長寿はいいことだけど、健康寿命を延ばすことを考えないとですよね。
2016-08-25 11:42 | #- | URL [ 編集 ]

コメントありがとうございます!

本当に健康寿命を延ばすことがみんなの幸せですね

認知症は悲しい病気だなあと思います。
楽しい感情がわかなくなり、過去の思い出も忘れてしまう。
愛すべき家族も、わからなくなる。

それでも、少しでも笑顔になるようと日々過ごしています。
お読みいただきありがとうございます。
2016-08-29 20:51 | mukkumamu #- | URL [ 編集 ]

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://mukkumamu.blog.fc2.com/tb.php/87-23b79062

 | ホーム |  page top